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『胸さわぎのクルーズ』(矢口敦子)
胸さわぎのクルーズ
胸さわぎのクルーズ矢口 敦子

講談社 2011-01-21
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名門・桜花女子大の学生寮で同室だった三人が久々に同窓会で出会い、一緒に旅行でもしようと意気投合。
決めたのは、豪華客船「ドラマ・オブ・シー号」での北海道・ロシア・中国をめぐる旅。
誕生日が来ればみな六〇歳という三人にとって、それぞれの過去と現在と、家庭を持ちながらも、
日常から解き放たれたクルーズは、これからの素晴らしき人生を予感させる、出会いや事件の連続だった!
船内でのロマンスやピンチを乗り越えた三人、さあ、どうなる、これから。
(「BOOK」データベースより)

ところどころに小さな山はあるけれど、絶対的な山場がなく、盛り上がりに欠けました。
もっと、アラ還女のパワーが炸裂しても良かったのに。
いっそ、迷惑なくらいに(笑。
ちょっとおとなしいかな。
というよりも、女であることを意識しすぎというか、前面に出しすぎのような気がします。
なんか、ちょっと気持ち悪いと感じる場面も結構ありました。
そもそも、59歳の女性3人それぞれに色っぽいことが起きるというのが非現実的。
3人の微妙なバランス、複雑な心理描写はとてもリアルに感じられましたけども。
現在の自分の状況のちょっとカッコ悪いところを隠そうとする心理は分かる気がする。
ちょっとした見栄よね。
自分よりも勝っている部分が目に付くんですよ。
肌が綺麗とか、スタイルがいいとか、若く見えるとか・・・ね。
で、心の中で張り合うわけです。
ここは負けてるけど、ここはまだまだイケルぞって。
そういう一人綱引きみたいなのが面白かった。
疎遠だった者たちが急に旅ですから、色々とぎこちなさは出るものですよね。
もう友だちではなく、古い知人なんですよね。
いきなり距離が縮まるものでもなし。
でも、確かに以前のような友だち同士ではないけれど、今までとは違う新たな関係が築ける予感を漂わせる結末は良かったです。
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【2013/04/30 16:29】 本の本音 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『幸せになる百通りの方法』(荻原浩)
幸せになる百通りの方法
幸せになる百通りの方法荻原 浩

文藝春秋 2012-02
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『発がともす灯の下で』
『俺だよ、俺。』
『今日もみんなつながっている。』
『出逢いのジャングル』
『ベンチマン』
『歴史がいっぱい』
『幸せになる百通りの方法』

節電、オレオレ詐欺、料理ブログ、婚活、リストラ、歴女、マニュアル本・・・。
時代を映すキーワードから広がる7つのお話。
狂ったように節電に走った、あれはなんだったんだろうかと思う。
節電する自分に酔ってるような人もいたし、私のように、堂々とケチ臭くなれる!とニンマリした人もいるだろうと思う。
結局、根本は何も解決してないようなぁ・・・ということを思った『原発がともす灯の下で』。
『今日もみんなつながっている』は、時代の風潮を一番良く表現していると思う。
料理ブログにTwitter。
自分の料理だけでなく、外食したときのお店の料理の写真を撮るなんて、15年くらい前には考えてもなかったと思うなぁ。
旅行してパチリ、食べてパチリ。何してもパチリ。
こんなにシャッターを押すことのハードルが低くなるなんてね。
あぁ、私も誰か知らない人が撮った写真に写り込んで、どこかネットの片隅に存在するのかもしれないなぁ。
思えば、妙な世の中になったことよ。
一番好きなお話は『出逢いのジャングル』。お見合いパーティの会場が動物園なんですよ。
友だちに誘われて参加した主人公は、全然婚活に乗り気じゃなくて及び腰。
登場する男性の可笑しさもさることながら、主人公の観察眼が冷静で笑える。
どの話も明確な結末があるわけではないけれど、確実に、主人公は大きな成果物を手にしています。
何をどうすればよいか、自分はどうしたいのかに気付くこと。
そして、一歩を踏み出すこと。
それが主人公にとっての結末であり、幸せになる方法です。
つくづく、幸せというのは、人それぞれなんだなぁと思います。
ちょっとしたことで幸せな気分になれる人、持っても持っても満足できない人。
自分は結構幸せなんだと思える人、自分の幸せに気づかない人・・・。
たとえささやかでも、幸せポイントはたくさん持っていたいものです。
【2013/04/30 15:39】 本の本音 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『和菓子のアン』(坂木司)
和菓子のアン (光文社文庫)
和菓子のアン (光文社文庫)坂木 司

光文社 2012-10-11
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デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの十八歳。プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは?読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー。
(「BOOK」データベースより)

とっても評判いいみたいなんですが、正直、私にはよくわからないわー。
和菓子を買っただけで、こんな推理、無理ありませんかね?
ウンチクはとても興味深いけど、別に謎に仕立てなくても、十分に面白いと思うんですが・・・。
「お仕事ミステリー」じゃなくて、「お仕事小説」でいいじゃない。
そもそも、ちょっと和菓子を買っただけのお客さんに、こんなに突っ込んだお話するものかしら?
いろいろ想像したり、推理したり、話題にして、もはや詮索です。
下町の商店街ならまだしも、デパ地下ですよ?
私がお客さんなら、あれこれ言い当てられて、ちょっと気持ち悪いわ。
みんないい人なんだけど、良い販売員ではないよね。
誰が主人公でもいいくらい個性的で、抜群に面白い面々なんだから、詮索好きな探偵役なんてやらせなくても、普通に和菓子屋の販売員で十分魅力的なドラマが作れると思うんだけど。
商店街と言えば、アンちゃんが住んでるのって『切れない糸』に出てきたとこなんだねぇ。
アライクリーニング店の看板おばちゃん「松竹梅トリオ」の「梅」がアンちゃんのお母さんなのかな?

【2013/04/23 15:11】 本の本音 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『再会』(横関大)
再会
再会横関 大

講談社 2010-08-06
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美容室を経営する万季子は、スーパーから息子の正樹が万引きをしたという連絡を受ける。
私立中学校への進学が決まっている息子を心配し、慌てて駆けつけた万季子に、店長の佐久間は卑怯な取引を持ちかけてくる。
条件をのむべきか悩む万季子だったが、翌日、射殺された佐久間の死体が発見される。
佐久間を撃った銃・・・それは、万季子を含む4人の小学生が、タイムカプセルに忍ばせて校庭に埋めたはずのものだった。

何がどうしてどうなったという事実だけが淡々と進んで行き、本来はそこに絡んでくるべき人の感情があまり感じられなかった。
読む方としても、想像力が働く場面がなくて寂しい。
タイムカプセルに封じ込められた過去の秘密と、タイムカプセルを開けなけらばならない現在の事情が交互に描かれるのですが、現在の謎=誰がタイムカプセルを開けたのかという点は、無理に複雑にしているように感じられました。
「佐久間殺害の犯人が拳銃を入手するために開ける」以外の「開ける」が勿体ぶってるというか。
なぜ開ける必要があったのか、心情が伝わってこないので、誰が?なぜ?をごちゃごちゃこねくり回しているだけに見えるんですよね。もっと感情面が丁寧に描かれていれば、余計な説明は必要ないのに。
事実の積み重ねに比べると心理描写がぞんざいで、人物像も著者の著者の意図したほどには伝わっていないのではと思います。
一番、気に入らないのは、万引きの扱い方。
真面目な小学生が万引きをするには、それなりの理由があるはず。
いじめによる強要、ゲーム感覚、ストレス・・・。
どれも当てはまりそうにない生活環境なんですよね。
「なぜ?」の部分がびっくりするくらいに抜け落ちてる。
母親なら、将来を気にするのも当然だけど、まず頭に浮かぶのは「なせ、うちの子が万引きを?」という疑問だと思うのですが。
そこに全く触れていないのは、すごく不自然です。
そして、全てが終わったときの正樹があまりに無邪気なのも気になります。
自分の行動が母親を狂わせるきっかけになったというのに。
周りが真実を隠したとしても、小学校6年生なら自分の罪に気付くと思うんです。
自分が万引きしたスーパーの店長が殺されたってのいうのは、報道や噂で分かるでしょうし。
そして、母の幼なじみが3人集まっているのに母親だけがいない不自然さ。
さすがに、おかしいと思うでしょう?
なのに、あまりに屈託がなくてびっくりです。
どうしてもこの結末のシーンは好きになれません。
【2013/04/22 15:27】 本の本音 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『限界集落株式会社』(黒野伸一)
限界集落株式会社
限界集落株式会社黒野 伸一

小学館 2011-11-25
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会社を辞めた多岐川優が訪れた父親の故郷。
祖父の代まで暮らした村は、過疎・高齢化が進み限界集落となっていた。
自分を祖父と思い込み話しかけてきたばあちゃんたち、ずっと村で暮らしていきたいと願う小学生など、村の人と交流するうちに、脱限界集落!村を再生させよう!という気持ちになるのだったが・・・。

優って、ただ単に会社を辞めた人じゃなかったんだねぇ。
大成功した人だったんだー。
すっごい稼いだんだ。
その稼ぎ、得た人脈を寒村の再生に注ぎ込みます。
どうしたら限界集落を脱することができるのか?
優は過去の仕事での成功を生かし、まずは農業の組織化と投資家を募ることから始めます。
そして村の宣伝にゆるキャラ、4コマ漫画を使い、ネットで発信します。
村を丸ごとプロデュースするんですね。
良いものを作る腕はあるのに、売り込むのが下手な社員ばかりの会社に、
作る技術はないけれど、何をどう売ったらいいか熟知している社長が就任した、って感じです。
優の打つ手は特に珍しくもない手法だと思いますが、それぞれを担当する人の個性や過去など、人がとても魅力的に描かれ、興味が沸きます。
もう、終わってるような農村なんですけど、そこの暮らす人々は明るくて、ユーモアたっぷり。
すごく愛情を持って描かれているように感じました。
村がどう変わっていくのか、それはありえない、ただの理想、夢物語・・・なのかもしれません。
それでも、こういう希望は必要なんじゃないかなと思います。
単純に、とても楽しく読めました。


【2013/04/22 14:16】 本の本音 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『生存者ゼロ』(安生正)
生存者ゼロ (『このミス』大賞シリーズ)
生存者ゼロ (『このミス』大賞シリーズ)安生 正

宝島社 2013-01-10
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北海道根室半島沖の北太平洋に浮かぶ石油掘削基地で、職員全員が無残な死体となって発見された。
救助に向かった陸上自衛官三等陸佐の廻田と、感染症学者の富樫博士らは、政府から被害拡大を阻止するよう命じられた。
北海道本島でも同様の事件が起こり、彼らはある法則を見出すが…。
未曾有の危機に立ち向かう!壮大なスケールで「未知の恐怖」との闘いを描くパニック・スリラー。
2013年第11回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)

こういう人がじゃんじゃん死んでしまう小説を読んでいると、大抵主人公やその周辺の登場人物に関して、「この人は殺さんといて!」と願うものなんですが、そういう感情が一切沸き上がりませんでした。
人物に魅力が感じられないのですよ。
せっかく、複雑だったり壮絶な過去を持たせてあるのに、それが人物の魅力に繋がっていないんですよね。
ただの駒って感じ。
面白くないわけじゃないけど、決して一気読みではないです。
未知の脅威って怖いですよ。
わからないっていうのが一番怖い。
ただ、あれよあれよと事態が動いてしまって、じわじわと忍び寄る恐怖を感じる暇もなかったんですよ。
だから、真相がわかっても、あぁ、そうなのねっていう程度で。
世間の評判は上々のようですが、正直なところピンときませんでした。
自分でもびっくりするくらい想像力が働かなかったです(^^;
何かとんでもないことが起きてるぞ・・・と、じっくりと時間をかけて感じさせる部分が序盤にあれば良かったのですが。
何の痕跡も残さないとか、全く見当もつかないっていうのも不自然なように思います。
誰かが何か言い残したり、書き残したりしていてもいいと思うんですよね。
ま、素人考えですけどね。
政治のヘタレ振りはいかにもありそう。
ありがちすぎて新鮮味がないくらい。
ちょとは切れ者、型破りな政治家を入れてもよさそうなものだと思うのですが。
学者世界での出世争いは、とても面白かった。
男の嫉妬は怖いねぇ、醜いよねぇ。
でも、それだけに、冨樫にはもっと活躍させてあげたかった。
ちょっと気の毒。
それから、富樫の狂信的なキャラとか、神との対話とか、必要かな?
私には鬱陶しかったです。
純粋に未知の脅威との闘いに絞ったほうが怖くて面白かったんじゃないかと思います。
【2013/04/19 16:17】 本の本音 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『編集ガール!』(五十嵐貴久)
編集ガール!
編集ガール!五十嵐貴久

祥伝社 2012-10-11
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高沢久美子は出版社に勤める27歳。といっても経理部員だ。
会社には秘密だけれど、単行本編集部に勤務する31歳の加藤学とは付き合って三年。
そろそろ結婚の話も出ている。
ところがある日、ワンマン社長の長沼からいきなり新雑誌の編集長に任命された。
以前、適当に書いた企画書が通ってしまったのだ!
女性ファッションの通販雑誌を自分で創刊するなんて、久美子にできるわけがない。
新編集部のメンバーは社内よりすぐりのツワモノばかり。
その上、彼氏の学まで部下になるなんて!
素人ばかりの編集部は前途多難…。
(「BOOK」データベースより)

経理部員が編集長に?
ないでしょ、ないでしょ。
でも、推薦だか立候補だかで社長を決める会社が実際にあるくらいだから、こういう型破りなことする社長がいてもおかしくないよね。
それに、長沼が後ろでうま~く糸を引いてるものね。
久美子がどういうことで困るか、ちゃんと長沼は予測してるんですよ。
とんでもないワンマン社長だけど、時代を読んだり、人を動かすことに天賦の才があるんですね。
面白いように、長沼の狙い通りに進んでいきます。
ただ、久美子はじめ、編集部員たちはあたふた。
学以外は門外漢ですからね。
でも、終わってみると、それぞれがちゃんと特技や個性、経験を生かした仕事をしてるんですよ。
そこがとても気持ちいい。
編集の仕事に関してはなんだか大変そうなのはわかるっていう程度なんだけど、人間関係についてはすごくリアルに想像できました。
どこの職場も同じだよねぇ。
俺に任せておけばいいよというスタンスの学と、最初はそれを頼もしく感じていたものの、勝手にどんどん決めていってしまう学に反発を覚える久美子。
自分でちゃんとやってみたいという気持ちがむくむくと沸き上がります。
なんとなく、ふたりの間にギクシャクした空気が流れ、若い編集部員が学に接近し・・・。
仕事はうまくいっても、恋は破局のパターンですよ。
そうだろうと思ったし、そのほうが断然、面白いもの!と思う私は意地悪なのかしらん。
意外なほどに、丸く収まる、優等生の結末。
学は結構、柔軟でした。今どきの若者って感じがするなぁ。
【2013/04/19 15:12】 本の本音 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『誰かが足りない』(宮下奈都)
誰かが足りない
誰かが足りない宮下 奈都

双葉社 2011-10-19
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なかなか予約が取れない人気レストラン「ハライ」。
同じ日、同じ時間に食事する6組のお客の物語。
痴呆の始まった老婦人、久しぶりに言葉を交わした幼なじみ、ビデオカメラを構えていないと外に出られない青年・・・。
『誰かが足りない』というタイトルは、とても寂しい、切ないイメージですが、読んでみるとちょっと違いました。
足りないのは『誰か』でもあり、『何か』でもあり。
失った人、失った時間・・・。
さりげなく誘われていたのに気付かなかったり、意地になって行かなかったり。
どうして気付かなかったのだろう、どうして素直に行けなかったのだろう・・・。
後悔と、そこからの新たな一歩、再出発の物語でもあります。
はっきりとした結末はなく、6組のお客が交錯する章があればすっきりするのに・・・と思います。
でも、それはそれで無粋というものなんでしょうね。
【2013/04/18 22:51】 本の本音 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『焦茶色のパステル』(岡嶋二人)
焦茶色のパステル 新装版 (講談社文庫)
焦茶色のパステル 新装版 (講談社文庫)岡嶋 二人

講談社 2012-08-10
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山路頼子が経営するヤマジ宝飾を主な仕事場にしているデザイナーの大友香苗。
頼子の夫、亮介は競馬情報誌「パーフェクトニュース」のボスで、競馬評論家である香苗の夫、隆一もよく記事を書いている。
ある日、競馬通が集う喫茶「ラップタイム」で休憩中の香苗を、刑事が訪ねる。
大学教授が殺害され、事件の前に教授と会っていた隆一を捜しているという。
しかし、夫婦仲が危機的な状況で、離婚を考えいていた香苗には、夫の行き先はわからなかった。
夫はどこへ行ったのか、殺人事件に関わっているのか。
更に香苗を混乱させるような知らせが。
龍一が東北にある牧場で何者かに撃たれたというのだ。

香苗の親友の綾部芙美子が終始、推理をリードします。
芙美子の勤務先はパーフェクトニュース。
それだけに競馬にも詳しく、持ち前の好奇心で事件にどんどん首を突っ込んでいきます。
洞察力、観察力、推理力、全てに秀でていて、しかも行動的。
いや、閃きすぎるというか、頭良すぎるというか。
だからといって、出来すぎた人物という風に感じるかというと、決してそうではないんです・・・。
だって、すっごいガラッパチなんだもの。
お江戸の方ってみんなこうなの?
女性でもべらんめぇ調で喋るの?
「メシを食う」とか言うの?
いくら一人暮らしだからって、下着を床に脱いだままにする?
いくら女同士だからって、お風呂上がりに裸でウロウロする?
なんだか、あまりのガラッパチっ振りに、どん引きでした。
芙美子が強烈すぎて、主人公である香苗の印象が薄いのが残念です。
離婚を考えていたということを、もっと何かに使えないかなぁ。
だって、夫婦仲が良くないという設定は特に必要ないじゃない?。

さて、肝心のミステリーの部分ですが、タイトルも含めて、上手いなぁと思います。
いかにもパステルの出自に問題があるようにミスリードを誘い、真実はもっと根っこの方にあるんですよね。
ただ、そこに行き着くまでが大変だったので、衝撃が薄れてしまいました。
遺伝のあれこれや、馬主による汚職疑惑とか、結構、忙しくなってしまったのですよ。
だから、よくわからないままに、どんどん進んでしまった感じがします。
一度読んでするっと理解できればいいんですけどねぇ・・・。
競馬の知識のない香苗と一緒に少しずつ理解をしていけるようになっているのですが、毛色の遺伝のところはちょっと説明的すぎるかな。
「難しいことはわからないけど、この親からこの色の子は生まれない(生まれる)のね」程度だったら、もっと楽に読めたのになぁ。
【2013/04/11 15:42】 本の本音 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『神去なあなあ日常』(三浦しをん)
神去なあなあ日常 (徳間文庫)
神去なあなあ日常 (徳間文庫)三浦しをん

徳間書店 2012-09-07
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大学を受験するでなし、就職活動するでなし、高校を卒業したらフリーターでもしようかと。
そんな平野勇気にを待っていた進路は”林業”。
母と担任の共謀で三重県の山村に送り込まれた勇気の1年は・・・。

いやぁ、お母ちゃん、いいわぁ。
有無を言わせず、息子を山村に放り出す潔さ!
三浦さんは本当に人物を作るのが上手いと思う。
特に主人公の脇を固める役どころたち。
今回、私が勇気の母親以外で、とても好きなのは犬のノコと5歳の山太。
特に、ノコは人間以上にキャラが作られているような気がするなぁ。
自分が役に立たなかったことを気に病んで落ち込んだりするんだもの。
そしてまた、勇気たちもノコを立ち直らせるために一芝居打つんですよ、真剣に。
ノコも山の男なんですね。
山での行動は勇気よりもずっと様になっているもの。
その勇気ですが、いかにもすぐに逃げ出しそうなイマドキの男の子で、実際、一度”脱走”しているのですが、
意外に田舎暮らしに上手く嵌っていきます。
その過程はとても自然で、結構、こういう順応する子はいるんじゃないかしら?と思わせます。
一方で、林業の厳しさ、田舎暮らしの不便さをきちんと伝えていて(多分)、とてもバランスが良いように感じました。
 こんなに上手く行くわけないよ、という意見もあるでしょうが、斜陽産業にはこういう希望が大事なんじゃないかと思います。
 とても楽しく、気持ちの良い読後感でした。

【2013/04/07 23:52】 本の本音 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『ソロモンの偽証 第1部 事件』
ソロモンの偽証 第I部 事件
ソロモンの偽証 第I部 事件宮部 みゆき

新潮社 2012-08-23
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クリスマスの朝、校舎の屋上から転落した男子中学生。
状況と家族の証言から自殺と見られたが、噂は勝手に生まれ、広まっていく。
亡くなった男子生徒が不良グループとの喧嘩をきっかけに不登校になっていたことから、不良グループにいじめられて自殺した、不良グループに飛び降りを強要された、不良グループに突き落とされた・・・。
無責任な噂は隠れていた悪意の発露でもあった。
そして、それは匿名の告発状として、決定的になる。

直前に、同じく男子中学生の学校内での死亡事故を描いた奥田英朗の『沈黙の町で』を読んだことと、
導入部が冗長に感じられること、犯人、動機、背景など、何が問われるのかが予想できないことなどから、なかなか乗れなかったのですが、担任教師の隣人が関わってくるところくらいから、どんどんのめり込みました。
亡くなった生徒とその兄の特殊な状況を初めとして、登場人物である生徒たちのそれぞれの家庭環境が描かれますが、よくもまぁ、こんなに、というくらい様々な問題を抱えています。
私が中学生の頃も、友だち、みんなこんな感じだったのかなぁ?多分、違うと思うんだなぁ。
やっぱり、時代が強く影響していると思います。
特にそれが表れているのが、担任教師の隣人の行動。
たしかに、担任教師は同性に嫌われやすいタイプのようだけど、ただの隣人に恨まれたり、攻撃されるような要素はない。
だから隣人の執着は理不尽な言いがかりのようなもの。
理屈が通用しない人が増えていることを改めて感じました。
隣人のあっと驚く行動が思わぬ騒動を呼ぶことになるのですが、彼女自身がどう決着をつけるのか、とても興味があります。
それは告発状の差出人に対しても同じで、落しどころが気になります。
反面、違和感を持ったのが、中学生の描き方。
特に涼子と章子。
このふたりは中学生らしくないというか、すでに出来上がった感があります。
優等生だからということではなく、感じ方や考え方が中学生らしからぬ大人っぽさで。
なかなかこういう子はいないだろうし、こういう子に学校生活は辛いだろうなと思います。
事件の真相よりも、それぞれ子供たちが持つ問題がどう解決されるのか、悩みをどう乗り越えていくのか、これからが楽しみです。

【2013/04/03 15:07】 本の本音 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『失業パラダイス』(碧野圭)
失業パラダイス
失業パラダイス碧野 圭

光文社 2010-06-19
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TV番組制作会社をやらせでクビになったADの敦。
同じくクビになった先輩の岡本が一般人相手の映像制作会社を設立し、敦も手伝うことになる。
そんなふたりの前に現れた少女・沙良。
彼女は天才的な歌唱力を持つものの、引きこもりで極度の対人恐怖症。
しかし、自分の歌を誰かに聞いて欲しいと切望し、あるオーディションに応募するための映像制作を依頼したのだった。

失業という「陰」と、パラダイスという「陽」。
失業中だけど、なんとかなるさ~という、お気楽なものと思っていたのですが、結構真面目なお話でした。
それは主人公の敦のキャラによるところが多いのでしょうね。
元公務員だし、誠実で真面目なんですよ。
敦ひとりだったら、「失業」生活は「パラダイス」にはならないはずです。
パラダイスの持つ「陽」の部分を体現しているのが岡本。
岡本は、小学生男子のようなおバカな人なんですが、仕事は出来るんですよね。
なかなか、機を見るに敏なようで。
クビになっても、焦る風でもなく、おバカでいられるのは、本当に馬鹿なんじゃなくて、先の勝算があるからなんですね。
敦と岡本の二人で、陰と陽のバランスが上手く保たれています。
TVという華やかな業界にも興味が惹かれるし、テンポ良く、中盤からは読者を巻き込む勢いで、あれよあれよという間に読了。
ただ、やっぱり「失業」じゃないよなぁって思っちゃうんですよね。
たしかに会社はクビになったけど、新しい仕事は順調そうだし、恋人がいて、仲間がいて、頼ってくれる人もいて。
楽しそうじゃんって。
タイトルに「失業」って必要ないんじゃない?
いっそ、「パラダイス」の部分を前面に押し出した方が、新鮮だったんじゃないかと思います。
失業からの再起っていうのはありがちだもの。
もっと、ふざけてても面白かったんじゃないかなぁ。
【2013/04/03 12:04】 本の本音 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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